「Japanology」の講義を米国マルケット大学および上智大学と結びオンライン教育
本学では、2018年度から、上智大学およびお茶の水女子大学と共同で、オンライン教育(Collaborative Online International Learning : COIL)を利用した遠隔教育および交流事業を軸とした、日米2国間の大学間連携を図るプロジェクトに取り組んでいます(2018年度文部科学省「大学の世界展開力強化事業~COIL型教育を活用した米国等の大学間交流形成支援~」)。
このCOILプロジェクトの一環として、6月11日に全学共通科目「Japanology:Science and Society」のなかで、COILの米国連携大学であるマルケット大学(ウィスコンシン州)のAlexandre A. Martins教授(アレックス教授)に、講師として現地からオンラインでご参加いただき、”Ethics and Global Health”と題して、国内連携大学の上智大学とあわせて3地点を接続して、上智大学と本学の学生が同時受講しました。
また、今回の講義は、足彩胜负彩感染拡大の影響により、本学と上智大学の学生それぞれが教室ではなく自宅などから、個別にZoomに接続して講義に参加する初の試みとなりました。
この「Japanology:Science and Society」の授業は、小林裕和客員教授が代表教員となり、各部局教員の協力を得て、日本の地勢、文化、経済、産業などを英語で理解する科目です。これまでも2019年6月に米国連携大学のカリフォルニア大学デービス校と接続して、両校の学生が「日本茶」について同時受講しており、続く第二弾では、同年6月に上智大学の留学生と「健康長寿」「日本茶」について同時受講するなど、COIL型教育の実績を深めてきています。
今回の講義は、上智大学総合人間科学部看護学科吉野八重准教授のコーディネートのもと、本学看護学部根岸まゆみ講師と合同して進めました。
講義では、”Thinking of Health Inequalities and Justice”との副題のもと、国境を越えた保健医療問題が発生するなかで、健康格差が生じている実態をデータや事例を交えて紹介し、不正、不平等、差別、偏見、そしてさまざまな格差から生じるグローバル?ヘルスの問題を取り上げました。また、ヘルスケアは人権の概念の一つであり、貧困と公衆衛生との関連性の高さについて言及するなかで、健康と貧困との相関性を検証しつつ、国?地域別のHIV罹患者数や健康寿命の分布状況等から背景にある要因について考察を加えました。
さらに、直近の課題として足彩胜负彩にまつわる事象についても触れ、アフリカ系米国人の州人口に占めるコロナによる死亡率の高さ、ニューヨーク市における人種?民族間のコロナ死亡率と人口構成比が示す健康格差の深刻さ、アレックス教授の出身国ブラジルにおけるコロナと貧困との関係等について考察し、パンデミックの裏に潜む人種差別問題、不平等の図式を浮き彫りにしました。
これに対し、受講生とアレックス教授との間では、特定国の習慣が他国にもたらす誤解と非難の深刻さ、HIV感染など目に見えない脅威から生じる偏見、貧困層など社会的弱者やマイノリティの犠牲を抑えるために互いの共通点を見出すダイアログの重要性、頭脳流出問題の背景にある経済的要因に対する賃金改善などの政策的インセンティヴ導入についてなど、活発な質疑応答と論点整理がありました。
この講義を踏まえ、学生には、国際的な健康格差や倫理問題の学びから、日本における健康格差?倫理問題とそれに対し私たちができることを考えていくことが求められます。
今回の講義では、コロナ禍の状況下にあっても、その環境を利用して、米国からのオンラインでの講義に、本学と国内連携大学の各学生が自宅などから個別に参加するスタイルを採用することにより、COIL型教育の有用性を再認識するともに今後の展開の可能性を感じることができる良い機会となりました。
このCOILプロジェクトの一環として、6月11日に全学共通科目「Japanology:Science and Society」のなかで、COILの米国連携大学であるマルケット大学(ウィスコンシン州)のAlexandre A. Martins教授(アレックス教授)に、講師として現地からオンラインでご参加いただき、”Ethics and Global Health”と題して、国内連携大学の上智大学とあわせて3地点を接続して、上智大学と本学の学生が同時受講しました。
また、今回の講義は、足彩胜负彩感染拡大の影響により、本学と上智大学の学生それぞれが教室ではなく自宅などから、個別にZoomに接続して講義に参加する初の試みとなりました。
この「Japanology:Science and Society」の授業は、小林裕和客員教授が代表教員となり、各部局教員の協力を得て、日本の地勢、文化、経済、産業などを英語で理解する科目です。これまでも2019年6月に米国連携大学のカリフォルニア大学デービス校と接続して、両校の学生が「日本茶」について同時受講しており、続く第二弾では、同年6月に上智大学の留学生と「健康長寿」「日本茶」について同時受講するなど、COIL型教育の実績を深めてきています。
今回の講義は、上智大学総合人間科学部看護学科吉野八重准教授のコーディネートのもと、本学看護学部根岸まゆみ講師と合同して進めました。
講義では、”Thinking of Health Inequalities and Justice”との副題のもと、国境を越えた保健医療問題が発生するなかで、健康格差が生じている実態をデータや事例を交えて紹介し、不正、不平等、差別、偏見、そしてさまざまな格差から生じるグローバル?ヘルスの問題を取り上げました。また、ヘルスケアは人権の概念の一つであり、貧困と公衆衛生との関連性の高さについて言及するなかで、健康と貧困との相関性を検証しつつ、国?地域別のHIV罹患者数や健康寿命の分布状況等から背景にある要因について考察を加えました。
さらに、直近の課題として足彩胜负彩にまつわる事象についても触れ、アフリカ系米国人の州人口に占めるコロナによる死亡率の高さ、ニューヨーク市における人種?民族間のコロナ死亡率と人口構成比が示す健康格差の深刻さ、アレックス教授の出身国ブラジルにおけるコロナと貧困との関係等について考察し、パンデミックの裏に潜む人種差別問題、不平等の図式を浮き彫りにしました。
これに対し、受講生とアレックス教授との間では、特定国の習慣が他国にもたらす誤解と非難の深刻さ、HIV感染など目に見えない脅威から生じる偏見、貧困層など社会的弱者やマイノリティの犠牲を抑えるために互いの共通点を見出すダイアログの重要性、頭脳流出問題の背景にある経済的要因に対する賃金改善などの政策的インセンティヴ導入についてなど、活発な質疑応答と論点整理がありました。
この講義を踏まえ、学生には、国際的な健康格差や倫理問題の学びから、日本における健康格差?倫理問題とそれに対し私たちができることを考えていくことが求められます。
今回の講義では、コロナ禍の状況下にあっても、その環境を利用して、米国からのオンラインでの講義に、本学と国内連携大学の各学生が自宅などから個別に参加するスタイルを採用することにより、COIL型教育の有用性を再認識するともに今後の展開の可能性を感じることができる良い機会となりました。
【関連リンク】
静岡県立大学 大学の世界展開力強化事業「US-COIL」トップページ
https://www.us-coil.jp/(外部サイトへリンク)
「Japanology」の講義を上智大学の留学生と結びオンライン教育(2019年7月8日ニュース)
/news/20190708-1/
「日本茶」の講義をカリフォルニア大学デービス校と結びオンライン教育(2019年6月21日ニュース)
/news/20190621-1/
文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択 (2018年9月12日ニュース)
/news/20180912/
米国マルケット大学
https://www.marquette.edu/(外部サイトへリンク)
(2020年6月16日)
(2020年6月22日追記)